2021-06-03

企画グループ展「私の中の小川未明」始まりました

恵比寿のギャラリーまあるでの企画展「私の中の小川未明」が始まりました。ひとつのテーマや作家を取り上げて描くのは初めてで、とてもいろんな経験をしています。しかもいつもは可愛い動物を描いているのに、今度は人をどうしても描きたくて挑戦です。人、ねこ、小鳥をモチーフにして、小川未明の優しいけど嘘のない厳しい目で見た世界を描きました。

ギャラリーにコメントを寄せたので、以下はその文章です。

小川未明を描こうと思った時、頭の中を一番占めていたのは、
人を描くということだった。ちょうど、息子が独り立ちした時期
だったので、迷わず「はてしなき世界」を選んだ。まさに息子の
ことを書いたようなお話。
幼い頃、ああ、この子は世界の何が正しいのか知って生まれてきて
いるんだな、思うことがよくあった。
大人になるにつれて、経験や知識がそれを上回っていくのだろうけど、
息子は今も目の輝きを保っているだろうか？そんな思いで描いた。
それは言葉を変えれば、善というような意味になると思う。
他の二作品も、自然と己の中の善を全うしたお話を選んでいた。
大人も子供も動物も植物も、小川未明の世界の中で、善き事を全う
できるか未明に見られているような気がする。
自分も自ずから、それを問う絵になっていった。