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2022-05-28

鶯の絵

もう梅雨に入ろうとしていますが、鶯の絵を一枚。
この絵は染織家の中野みどり先生からリクエストをお受けして、制作したものです。

先生が織られた帯を初めて見たときに、目が吸い寄せられてしまい、
そこだけが輝いているように見えました。
それから先生が主宰される紬塾に入り、着物について、
絹や染めや機織りについて、日本文化について学びました。
そんなご縁です。

先生の作品は植物をご自分で採り、
染めて織るという気の遠くなるような工程を経てできています。
自然の風合いを生かした紬は柔らかく淡い色彩で、
それでいて深みがあり、布はとても堅牢に織られています。
私の色鉛筆の絵と色合いが通づるところがあるような気がして、
絵本を差し上げたところ共感してくださり、ブログにも取り上げてくださいました。

中野みどり先生のブログはこちらです。

(中野みどり作 半巾帯「歳寒の三友」 小川郁子作 江戸切子帯留 )

そして、今回小鳥の絵を描いて欲しいとのご依頼を受けて、
先生に似合うのはどんな絵かしらといろいろとイメージを膨らませました。
先生は優しい表情をされていますけど、とても芯の強い方で、
ご自分の信念を通して制作を続けておられます。
私など、すぐに心折れそうになったり、脇道にそれそうになるのですが、
そういう時に先生のことを思い出すと、背筋がピンと伸びるような心持ちがします。
春の季節だったので、先生の姿を小鳥が精一杯囀る姿で描きたいと思いました。
ちょうどウクライナの軍事侵攻が始まり、女性兵士の姿と国際女性デーが重なり、
その象徴の花ミモザを選びました。

これから、春が来ると先生の居間に私の絵が飾られるのでしょうか?
それに恥じない絵を描いていこうと、、毎年春が来てミモザが咲き、
鶯が鳴くと私は身が引き締まることでしょう。

ちょうど今、中野みどり先生の帯と帯揚げの展示販売
銀座の花邑さんで、5月27日から6月末まで開催されています。
よろしければ、お出かけください。

私も先生の裂地を額装したものを、仕事机のそばに飾って日々眺めています。
一体何色の糸、何本の糸がこの小さな裂の中に織込まれているのでしょう。

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